コラージュ作品でありながら、リアルに仕上がっている
| 2025年03月22日 05:00 | 吉村正臣 |
Jens Thiele イエンス・ティーレ(ドイツ)
Jo im roten Kleid
赤いドレスのジョー
ドイツ語
ドイツ・ポツダム出身。ブラウンシュヴァイク造形美術大学でグラフィックを、ゲッティンゲンで美術史を学ぶ。1980年代には大学で映像メディアの教授をつとめる。その後、児童文学の研究、絵本のイラストレーションに関する論文を発表。2003年からイラストレーションの制作に取り組む。この絵本<Jo im roten Kleid>オルデンブルクのブックフェアで賞を獲得したほか、2012年には舞台化された。その後も絵本を出版し、2009年からミュンヘンにアトリエを構える。
コラージュの上手な作品です。もともと絵の上手な人でしょう。人間の表現がたいへん豊かで、省略はしているのですが、リアルに描かれています。また、コラージュする際の、もってくる素材が、ありきたりではない、新鮮です。その上、なるほどと的を得たもってき方をしています。その辺が、コラージュ作品でありながら、リアルな紙面に仕上がっているようです。すべての絵が、コラージュで作られているのではなく、メインになる部分に使われているため、さわやかな仕上がり感をもっています。
2010 年5 月4 日(火)の第13 回絵本学会大会で、この作家がとり上げられています。
『絵本』(“Das Bilderbuch”)に見る絵本の分析アプローチの例
村上康子(九州大学大学院比較社会文化学府国際社会文化専攻研究生)
ドイツの絵本研究者イエンス・ティーレ(Jens Thiele)氏による著書、『絵本』(“Das Bilderbuch Ästhetik-Theorie-Analyse-Didaktik-Rezeption , Jens Thiele/ Mit Beiträgen von Jane Doonan, Elisabeth Hohmeister, Doris Reske und ReinbertTabbert ” 2003, Oldenburg, Isensee Verlag)に例示されている絵本の分析アプローチの例を紹介する。
<物語の内容>
男の子が、女性用の赤いドレスを着ることで、社会的に強い反発や、攻撃を受けます。
『男なのに・・・』と言うことでしょう。この物語は、性別や社会的役割、自由な自己表現といったテーマに深く切り込んでいます。主人公「ジョー」のように、社会の枠にとらわれず自分らしく生きようとする人物が、どのような困難に直面するのかを描くことで、読者に対して重要なメッセージを伝えています。
≪抄訳の一部≫ 抄訳:南乃まあ
「それか、なら、きれいなドレスを着るかな…」「えっ、なんだって?」
「うん、母さんの一番きれいなドレスを着るよ。あの赤くて胸元の大きく開いたやつ。」
「はは、君って面白いね!それで、その赤いドレスを着たらどうするの?」
「鏡の前に立って、自分をうっとり眺めるよ。」
「もし誰かに見られたらどうする?」
「心配しないで、みんなが家を出てからやるよ。」
「それからお姫様か、映画スターになったりするんだ。そう、僕が主演の映画を考えるよ。僕の名前はジョー。そして、とても美しいんだ。」
「どんな映画になるの? きっと安っぽい恋愛映画でしょ!」
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